呼吸として吸い込む吸入ルート

空気を吸うことで酸素を補給もうひとつのルートは、口や鼻から生命維持に必要な酸素を取り入れる「吸入」です。

地球上の生物のほ15とんどは酸素を必要としますが、人間の場合は、空気に含まれる酸素を肺から吸収して血液中に送り込む「肺呼吸」をしています。

肺呼吸で吸入した空気にチッ素、酸素、二酸化炭素がバランスよく混ざり、体に有害な成分が含まれていないなら、肺は体に必要な酸素だけを補給します。

ところが、空気に有害化学物質が混、ざっていると、肺にとどまって肺機能を聞したり、酸素と一緒に血液に流れ込み、全身のいたるところで悪影響を及ぼします。

大気汚染からは誰も逃れられない肺から吸収した有害化学物質は、経口吸収のように肝臓で解毒作用を受けることが広いため、毒性がストレートに体へ影響してしまいます。

ただし、酸素と一緒に血液に入り込むためには、いくつかの条件が必要です。

吸収されなかった物質は肺にとどまり、肺自体を汚すことになります。

現在、私たちが生活する環境は汚染された大気で満ちあふれでいます。

工場や自動車から排出される大気汚染、ゴミ焼却で大気中に放出されるダイオキシン、散布された農薬や殺虫剤、建材から有害化学物質が発せられるシックハウス、芳香剤やオーデコロンなどから揮発する有害化学物質……。

話題になったアスベストも吸入によって体に入り込む有害化学物質です。

吸入の危険性を考えると、大気汚染問題は社会全体で、できるかぎり早く解決したいものですね。