有害化学物質は私たちの健康を冒
すだけではなく、次の世代へと受け継がれていきますお母さんには異常が出なくても、おなかの中にいる赤ちゃんは、めまぐるしく成長しています。
そこに毒性がある有害化学物質が入り込んでくると、私たち大人では考えられないような影響を受けることがあります。
たとえば、1950年代に問題になった公害病の水俣病では、有害金属の水銀に汚染された魚を食べた母親から重度の脳障害や神経障害を持った赤ちゃんが生まれたのです。
このとき、お母さんにはこれといった障害はみられませんでした。
このように、大人にとっては毒性があるとはいえない物質や、毒性を示すにはいたらない量の物質でも、おなかの赤ちゃんに取り込まれると、決定的な影響を与えることがあるのです。
胎児が化学物質の影響を受けやすい理由1.皮膚バリアー機能ができあがっていない。
2.肝臓の解毒機能が、まだ働いていない。
3.血液から脳に入る有害な成分をせき止める、血液脳関門という機能がまだ働いていない。
4.一度受けたホルモン作用を元に戻すことができないため、環境ホルモンの影響を受けやすい。