低濃度で全生物に影響を及ぼす

環境ホルモンの悪影響は人間に対してだけではなく、野生動物にまで及んでいます。

2O世紀後半、世界各地の野生動物に生殖器異常や種の減少などといった深刻な異常が見られました。

環境ホルモンの多くはエストロゲンという女性ホルモンと同じような作用があり、動物実験によって発ガン性や生殖の異常を引き起こすことが明らかにされています。

環境ホルモンが新たな毒性物質といわれる理由は、これまで考えられていた毒性物質よりもはるかに低い濃度(ppb・pptという単位) で健康障害を引き起こすところです。

また、母親の羊水やへその緒を通しておなかの子どもに譲り渡してしまうという継世代毒性が心配されています。

一度ホルモン作用を受けると後戻りできない胎児期に、少しでも環境ホルモンを吸収してしまった場合は、さまざまな障害を持って生まれてくる危険性があるのです。