公害問題の主役になったカドミウム
工業用原料として今でも使用されるカドミウムは、多くの公害問題を引き起こしました。
イタイイタイ病の原因物質カドミウムカドミウムは亜鉛鉱石中に含まれる金属です。
昭和に起きた有名な公害病、イタイイタイ病(富山県神通用流域)の原因物質として知られています。
工業廃水や自然循環の中で、動植物の体内に簡単に取り込まれ、食物連鎖によって濃縮されて最終的に人間の体内に蓄積されます。
体に長期間たまる慢性の毒性がとくに問題で、発ガン性も持っている有害金属です。
急に体に取り込むとカドミウムは気化しやすいという性質があり、工業過程で吸い込んだ作業員が肺炎や肺水腫を引き起こす産業中毒が多く発生しています。
カドミウムを誤って口から飲み込んでしまうと、吐き気、嘔吐、腹痛などの胃腸障害が現れることもあります。