井戸水のヒ素
記憶に新しいのは、茨城県神栖町の井戸水から環境基準の45O倍ものヒ素が検出された事件です。
この近くに旧日本海軍の研究所があり、戦後地下にヒ素を含む毒ガスを埋めたことがわかりました。
井戸水を常飲していたこの地域の住人は、目や粘膜への刺激、くしゃみ、頭痛などの症状を訴え、幼児2人に発育遅延が認められました。
身近にあるヒ素ヒ素化合物は工業製品として私たちの日常生活にあふれています。
発光ダイオード、半導体レーザー、携帯電話・光通信の材料として利用されています。
かつて農薬に使用されていたことから、土壌に残留し井戸水からも検出されます。
ヒジキ、コンブなどの海藻類、エピ、カニ、貝、魚などの魚介類からもヒ素化合物が検出されることがありますが、これらヒ素化合物の毒性は弱く、体の中にとどまる期間は5時間とされています。
通常の生活で魚介類を食べてもヒ素中毒になることはほとんどありません。